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木々草花を爱(め)でる心こそ、财产である
树木を爱でるは心の养い、何よりの财产――。父露伴のそんな思いから着者は树木とともに育てられた。そして木々をいつくしみ、爱でることのできる感受性を持つ大人へと成长した。
着者が娘を持つようになったとき、この娘の周囲に木々草花の存在はなくなっていた。露伴は着者に、子を连れて植木市にいき、そこで彼女の気に入ったものを买い与えよと小銭入れを渡した。果たして子は、市で一番高価で立派な鉢植えの藤を选んだ。父露伴から预かった小銭ではとても赎えるものではなかった。次に选んだものは山椒の木だった。
山椒の木をもって帰宅すると、事情を知った父露伴はみるみる不机嫌になった……。
「多少値の张る买物であったにせよ、その藤を子の心の养いにしてやろうと、なぜ思わないのか、その藤をきっかけに、どの花をもいとおしむことを教えてやれば、それはこの子一生の心のうるおい、女一代の目の楽しみにもなろう、もしまたもっと深い机縁があれば、子供は藤から蔦へ、蔦からもみじへ、松へ杉へと関心の芽を伸ばさないとはかぎらない、そうなればそれはもう、その子が财产をもったも同じこと、これ以上の価値はない(略)」

北は北海道、南は屋久岛
富良野、屋久岛、安倍峠、鳶山(とんびやま)、桜岛、江戸川、四日市、福岛と着者は木々と逢いに行く。
ゆく先々で出逢ったその木の来し方、行く末に思いを驰せる。富良野ではえぞ松、屋久岛では树齢七千二百年の縄纹杉、安倍峠ではアカヤシオ、オオイタヤメイゲツ、富山県の鳶山では鲜烈なもみじ、桜岛では灰を被った蝶形花をつけたデイゴ、山梨県北巨摩郡では神代桜、江戸川では松、四日市では楠、福岛県岩代(二本松市)では杉沢の大杉。
次は縄纹杉に出会った时のファーストインプレッション。
「本当のところを打明ければ、私はおびえていた。おびえているから考えることもなみを外れるし、并外れを考えるから、またそれにおびえる。この杉は、なにか我々のいまだ知らぬものに、移行しつつあるのではなかろうか、などと平常を外れたことを思ったりして、だいぶイカレていたのだが(略)」

着者の透彻した眼は、木々の存在の向こうに、人间の业や生死の渊源まで见通す。生命の手触りを达意の名文で掬い取った、日本文学を代表するまごうかたなき名随笔。

162 pages, Hardcover

First published January 1, 1992

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幸田 文

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Profile Image for Fusako.
204 reviews8 followers
December 25, 2021
情感たっぷりの素晴らしい文章で、木に対する情热が感じられた。私もこんなふうに木に接さねばと思った。
幸田文の随笔は初めてだったが、他の作品も読んでみたい。
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